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マニフェスト比較:憲法(2)

 次に、9条ネットのマニフェストはこちらで見ることができますが、しかし、pdfファイルへのリンクをつけるというのも気が利かない話です。そこで、支援者の名前などを除いたマニフェスト本体――言うまでもなく、これは全部が憲法9条にかかわるものです――を以下に掲載することにしたく思います。なるべくオリジナルの体裁を生かしたいとは思いますが、いかんせん素人のブログでの再現ですので、限界があることは予めお断りしておきたく思います。

 こうして改めて眺めると、文章に込められた思いの強さを思わせられます。

(引用開始)

私たちのマニフェスト


戦争より平和、戦争よりくらし。


唯一の共通公約は―「憲法9条を生かす」こと


 参議院選挙の争点は、年金、暮らし、雇用の不安などたくさんあります。けれども「9条ネット」は、憲法9条を変えず生かすことを唯一の共通の公約として、候補者を擁立しました。
 それは、9条が殺されると、民主的な現憲法は全く非民主的な「新憲法」に変容するからです。自民党「新憲法草案」が「公共の福祉」(現憲法)を全て「公益及び公の秩序」に変えたのはその証です。9条が殺されれば生存権も人権も環境も全てが否定され、逆に9条を生かすことは私たちの生きる権利を守ることだからです。
 憲法9条を生かさないと、どんなに立派な政策を掲げても絵に描いた餅に終わります。
 平和こそ人間らしい暮らしの大前提です。9条ネットの候補者は、憲法9条を救うことをすべてに優先し、9条を殺すことを許さない一点で共通しています。
 自民党は、2010年に「新憲法」制定のための改憲を発議すると公約し、公明党も与党公約で改憲に同調しました。
 9条を生かすのは皆さん一人ひとりの投票です。どうか投票所で「9条」と書いてください。みなさんの「一票一揆」で、9条を生かす一歩を踏み出しましょう。

憲法の空洞化は荒廃した社会と生活を生みました


「いのちは地球より重い」というが


 毎年3万人以上の人々が自死。薬害によって自死者が大勢出ても、製薬会社も政府も手をうたない。原発事故はひた隠しにされ、環境破壊も進む。儲けのためには人命は二の次ぎ。「いのちは地球より重い」のにこれでよいのでしょうか。
 改憲の風潮のもとで「生存権」を保障すべき憲法は全く空洞化されています。この殺伐とした風潮は、9条が殺され戦争をする国になると加速します。
 9条を生かしひろげることは、いのちを大切にすることです。

共生と権利は空洞化


 医療費を「無駄使い」しないように「健康」は「自己責任」とされ、障がい者や生活保護受給者、お年寄りなどは「生産活動に役に立たぬ」者のように扱われ、福祉予算は大幅に削減されています。この上戦争をする国になれば「戦争に役に立たぬ」人びとは消されていきます。

進む「強制」と「服従」


 教育基本法の改悪で、国家による学校教育への介入と強制が強化されるようになりました。生徒も保護者も直立不動で「日の丸」に最敬礼。9条が殺されたら、こんな教育現場が社会全体の姿になります。国民の意思にそむくことを強制するのは戦争の準備の始まりです。

未来と夢を奪われた若者たち


 「非正規雇用」の拡大で、若者の人間らしく働く権利が奪われています。結婚もできず将来は不安だらけ。劣悪な労働条件で体をこわし、転職するたびに心身ともに追い詰められ働く意欲すら奪われる。
 この上9条が殺されたら、アメリカのように職のない貧乏な若者は軍隊に行くしかなくなってしまうでしょう。
 若者に人間らしい生活を約束しない国にしてはなりません。

軍隊や武力では国民の幸せは保障できません


日本経済再生のためにも9条を


 9条改憲の圧力は米国から来ています。米国は軍事的に日本を従属させ、米国の不当な要求に逆らえないような状況をつくっています。そして、日本はグローバル化の下で戦争国家・米国の赤字補填を強いられています。米国の軍事戦略から日本を解き放ち、日本経済を蘇生するためにも9条は日本の守護神です。

国民敵視の「軍隊」


 自衛隊の「情報保全隊」は民衆の運動を「監視」しています。沖縄辺野古の米軍基地拡張調査に反対する住民を威圧するために、自衛艦が出動しました。自民党の「新憲法草案」には「軍事裁判所」の設置が明記されています。軍隊は民衆の安全を守るものではありません。民衆を抑圧するものです。

武力の論理はエスカレート


 自民党が殺そうとしている9条こそ、世界の「平和と安全」を実現する最強の安全保障です。
 軍事力を持つと相手の軍事力が大きく見え怖くなります。だから軍事力をどんどん大きくしたくなります。そして最後は戦争に突入。これが日本が犯した過ちでした。その誤りを二度と繰返すまいと世界に誓ったのが9条でした。

現実が証明・武力の無力さ


 イラク戦争でイラク市民15万人以上(イラク保健省発表)、米軍など有志連合軍兵士3600人が殺されました。米軍の圧倒的な武力によって03年4月に「戦争終結」してから後の方が、米軍戦死者は戦争中の2.5倍に増えました。イラク市民の犠牲者は、5月だけで2000人近くなっています。武力では何一つ解決しません。
 どんなミサイルも核兵器も、数人で実行するテロを防ぐことはできません。最強の軍事国家・米国も9・11事件は防げませんでした。


公約1 9条を生かし平和を実現します


9条こそ最強の安全保障


 日本が他国から攻められる現実性などどこにあるのでしょうか。むしろ世界有数の武力をもち、9条を捨てて戦争をする国になろうとする日本をこそ、アジアの民衆が「また侵略するのでは」と危惧しています。その恐怖感は東アジアにおける軍拡競争をひきおこしていきます。
 地球上から紛争をなくすには、まずは他国民への脅威とならぬこと、そして武器をなくしていくことです。「世界の大国」とみなされる日本が率先して軍備を縮小・廃止し、「9条」の完全実施を実現していきましょう。

9条を日本から世界へ


 日本国憲法「前文」と9条は、第二次大戦の悲惨を反省してつくり出した全世界の共有財産です。国連はこれを尊重する義務があり、日本はこれを生かす国際的な責任があります。
 わたしたちは、「非武装=軍隊をもたない」、「永世中立=平時も軍事同盟締結と外国軍駐留を認めず、第三国間の武力紛争に中立でいる」、「国際紛争解決には非軍事で臨む」という宣言を国会で決議します。そして「非武装・永世中立基本法」を制定します。基本法には、自衛隊を国際平和協力隊や災害救助隊に改編していくスケジュール、日米安保条約を平和条約に組み替えるプロセスなどを盛り込みます。

「平和国家」日本を攻める国はない


 9条を高く掲げ「平和国家日本」を世界に宣言し、国連がこれを承認した日本を攻めることのできる国は、世界に存在しません。

公約2 9条を生かす共同を実現します


党派を超え9条を生かす国会議員の拡大と団結を


 9条ネットを代表する国会議員は、護憲の政党と議員の団結を呼びかけます。さらに国会議員の三分の一以上が改憲発議に反対するように働きかけます。日本共産党、社会民主党はもとより、民主党、公明党さらには自民党内でさえも9条改憲に反対する人はいます。

支持政党のない方の受け皿に


 私たちは、国会に議席を有する護憲政党に参院選挙での選挙協力を粘り強く働きかけてきました。しかし同意は得られませんでした。そこで、同意した団体・個人で、憲法9条を守り生かそうという一点で共同の候補者(比例代表9名、選挙区1名)を擁立しました。そして、「支持政党はないが9条を生かす1票を投じたい」という大勢の方の意志を国会に反映します。

国政選挙での共同を


 9条ネットの国会議員は、護憲の全政党、議員に選挙協力を呼びかけます。そして自民党が改憲発議をするという2010年までに実施される衆・参両院の選挙で、自民党、公明党はじめ改憲派の議員を減らし、9条を生かす国会議員を三分の一以上送り込みます。

全国の草の根の運動で勝つ!


 国会での改憲発議が阻めなくとも9条ネットはあきらめません。国民投票の一票によって改憲を阻止する事態を想定して、9条ネットは一人でも多くの人々に、憲法9条を生かすことの重要性を訴え、党派・信条をこえた共同をつくり出し、全国津々浦々での草の根の集会、講演、宣伝活動に全力をあげます。

(引用終了)

by gokenwatch | 2007-07-15 00:01 | 護憲勢力  

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